目の不自由な方に対するネット上のバリアー

2019/06/17

私は照れ屋で、というよりも勇気がなくて、慈善活動に関心はあっても実行が伴わないタイプの人間でした。(お恥ずかしいことに、今でもそういう傾向がある、というのが実際のところです)

私は会社員の時代にロンドン・ニューヨークなど海外駐在をした経験があります。それを活かして、アメーバブログで英文法の無料解説をしてきました。お陰様で多くの方に喜んでいただき、2千名を超える読者の方が愛読してくださっています。

数年前、ある目の不自由な方から以下のメッセージをいただきました。

「目が不自由でも、実は文字を読む音声ソフトのおかげで、ブログを楽しんでいる人は大勢います。しかし、せっかくコメントをしたいと思っても音声ソフトでは読めない画像認証を要求されると、そこから先に進めなくなってしまうのです。」

この声には衝撃を受けました。「たくさんの目の不自由な方がブログを楽しんでいらっしゃる」という前向きな驚きと共に、私たちの知らないところで障がい者の方にバリアーが作られてしまっている、という事実を知り、残念に思いました。

そしてこの問題は、ブログを書く人がほんの数秒をかけて画像認証を外すことで解消できることを教えていただきました。そこで私は「視覚障害者の方の為にバリアーを外しましょう」という運動をブログで始めました。この運動には百名以上の方が賛同してくださって画像認証を外すことをそれぞれのブログ読者にアピールしてくださいました。

百名の方のご協力があっても、百万名のブロガー全てにはアピールできません。根本的な解決のためには、ブログを設計する運営サイドで障がい者のことに更に思いを寄せていただき「画像認証と音声認証のどちらも可能」というような根本的な対策をしていただく必要があります。

でも、それでも「目の前の百名のブロガー」の方に共感をいただき、それを読んだおそらく「目の前の千名のブログ読者」に思いが届いたことでしょう。

画像認証を外すことは直接的には目の不自由な方だけへの対策かもしれません。しかし、そういう障がい者への思いやりの意識を持つことが、世の中の弱い立場の人や不便を感じて生活している様々な方への思いやりにつながるのではないでしょうか。

ネット上に存在しているバリアーについて教えてくださった方のおかげで、小さな運動を起こすことができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。